少女時代(ソニョシデ、SNSD)の所属事務所
「SMエンターテイメント」
少女時代が所属している事務所「株式会社エスエムエンターテイメント」は、韓国では最大手の芸能事務所・レコード会社です。
芸能マネージメントだけでなく、音楽ソフトの企画・制作・販売を手がけ、音楽出版やテレビ番組の制作、
イベントの企画・制作、広告代理業なども行なっています。
また、傘下の会社では芸能スクールの運営や、カラオケ機器製造、カラオケ店運営、不動産開発なども行なっており、
芸能スクール「SMアカデミー(旧スターライト・アカデミーシステム)」からは、
少女時代はもちろんですが、K-POPグループの多くのメンバーを送り出しています。
SMエンターテイメントは1995年に設立され、経営の実権は創業者であり筆頭株主でもある会長のイ・スマン(Lee Soo Man)氏が握っており、
社名は同氏の名前から由来しています。
イ・スマン氏は1980年代に歌手として活躍していましたが、1989年にSM企画を設立し、更に1995年に現在の社名に変更しました。
SMエンターテイメントはレコードやテレビ番組を制作する会社として設立されましたが、スター歌手を発掘して育成し、
宣伝体制を確立して音楽市場を開拓していく戦略的な手法をイ・スマン氏が創り上げて、
事業を拡大してきており、日本や香港、米国には現地法人を設立して、世界を視野にいれた総合メディア企業を目指しています。
所属しているタレントは、K-POPグループ、歌手、俳優、コメディアンなど数多く、日本でもよく知られている歌手BoAや、
東方神起、スーパージュニア、SHINee、f(x)などが在籍しています。
また、過去にはH.O.TやS.E.S、SHINHWAなども所属していました。
少女時代は、アルバム/シングル、コンサート、コマーシャルなど様々な売り上げで、
SMエンターテイメントの事業に大きく貢献していますが、更に、2011年には「韓国訪問の年」の広報大使に選ばれ、
韓国を代表するエンターテイメントグループとして認められており同事務所の看板タレントとしても貢献しています。
<余談>
少女時代のサニー(本名:イ・スンギュ)は、会長イ・スマン氏の姪(実兄の娘)であることは周知の事実ですが、
少女時代が結成された年に他の事務所から移籍して9番目のメンバーとなりました。
当時はいろいろな憶測を生んだようですが、その後の彼女の活躍や実力をみれば、
少女時代に欠かせないメンバーであったことが分かります。
2012年10月18日
米国のテレビ局ABCの番組『ナイトライン』(15日夜11時30分:現地時間)でK-POPスターの誕生過程に関するニュースが報道され、 SMエンターテイメントの育成システムが紹介されました。その中で少女時代は最もホートなスーパーグループとして紹介されています。 映像は以下に掲載してあります。
このニュースに関する日本での記事はこちらです。
Nightline from ABC News: K-Pop Boot Camp
(注:著作権等のために画面が表示されなくなった場合は、掲載サイトの映像をご覧ください)
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SMエンターテイメントの概要
本社所在地
ソウル特別市江南区押鴎亭2洞521
役員
会長:イ・スマン(李秀満) 1952年6月18日生
社長:キム・ヨンミン(金英敏) 1970年生
キム・ヨンミン氏は日本に4歳から移住し、高麗大学入学時に帰国しましたので、日本語が非常に堪能です。
SMエンターテイメントには1999年に入社して、BoAの日本進出やエイベックスとの調整などを担当し、
社長(第4代代表理事)には2005年5月に就任しました。
成長
SMエンターテイメント(株式会社エスエムエンターテイメント)を設立した当時の資本金は5,000万ウォンでしたが、
16年後の2011年には資本金は80億ウォン(約6億円)になり、国内最大の企画会社・レコード会社に成長してきました。
年間売上は、
2008年:約435億ウォン(約30億円)
2009年:約618億ウォン(約40億円)
2010年:約864億ウォン(約60億円)
2011年:約1099億ウォン(約76億円)
と伸びており、2012年も前年を大きく上回ると予想されています。
売上は海外の比率が増えて来ており、2010年には海外の売上が約60%を占めています。
また、同社の株価も上昇してきており、特に海外でのK-POPの主導が評価されて2011年の株価は前年の数倍に高騰しています。
その結果、発行株式の約24%を保有する筆頭株主のイ・スマン会長は2011年9月に財閥ドットコムが発表した芸能人株式富豪の第1位になっています。
このような成長を支えているのが、所属している歌手(グループ)の活躍です。
その中で大きな貢献をしてきたのは、BoA(2002年〜)、東方神起(2004年〜)、スーパージュニア(2005年〜)、
少女時代(2010年〜)と言われています。
特に、BoAは韓国や日本での活躍により、SMエンターテイメントを大きくステップアップさせた功労者と言えます。
彼女は2006年の契約延長の際にSMエンターテイメントの有償増資に参加して、同社の株式を約10万株を所有している株主になっており、
前述の芸能人株主富豪では第5位に入っています。
2012年3月には運営資金調達のために9億7881万ウォン規模の第3者割り当て方式の小額公募増資を実施し、
所属する47人のタレントが株主となっています。
この中で、カンタ、BoA、東方神起・スーパージュニア・少女時代のメンバーたちは他のタレントに比べて最大の各680株を保有しています。
このように会社と所属タレント間のパートナーシップを強化して、会社のビジョンや成長を共有する関係を築いています。
少女時代のアルバム/シングル等の売上については、「経済効果」
のページにまとめてありますのでご覧ください。
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SMエンターテイメントの特徴と戦略
SMエンターテイメントは、CD制作から配給、流通、ライセンス、出版を手がけ、
歌手・俳優のマネージメントやアカデミー事業まで行なうトータル芸能事務所です。
特に、人材をオーディションやスカウトで発掘して、トップスターに育て上げる育成システムを他の事務所に先駆けて確立し、
韓国芸能プロダクション特有の事業モデル(戦略)を作り上げてきました。
事業モデル(ビジネス戦略)
まず、広範囲なオーディション(年間30万人)を行なってスター候補を発掘し、歌、ダンス(振付)、演技や作曲指導、
外国語教育等を自社のアカデミーでトレーニングします。
そして、訓練生の中からスター候補を選抜し、音楽やミュージックビデオ等を制作してデビューさせると共に、
ドラマ、映画、ミュージカル等への出演や広告宣伝まで全てを自社が担当します。
また、どのような市場に売り出すかマーケッティングを行い、タレントのマネージメントも行なって、
全ての過程を統括し、プロデュースする仕組みです。
育成を重視
デビューするまでに数年間の訓練・教育を受けてきているため、デビューする時には海外でも通じる十分な実力を備えるようになっています。
日本の場合はアイドル性が重要視され、実力が無くてもファンがタレントを育てるスタイルが定着しており、大きく異なるところです。
全世界に発信
インターネットの動画共有サイト(YouTube、他)にミュージックビデオ等の動画を掲載して、
全世界へ発信することにより認知度を上げると共に、アクセス数(ビュー数)などをマーケッティングやリサーチ
(市場調査、売り出す時期の調査、等)に利用しています。
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SMエンターテイメントの海外戦略
韓国の音楽市場は日本の1/20程度であるため会社の事業を拡大するには海外進出が必須となっています。
所属アーティストの海外進出を推進するために、例えば、次のようなことを行なっています。
・SMタウンライブ ワールドツアーを開催して、所属アーティストを披露。
・インターネットでミュージックビデオ等を全世界に配信する事を積極的に実施。
・現地のニーズを捉えて、進出計画を作成。(現地用PV作成、他)
・話題作りを事前に行なっておき、それが現地で取り上げられるようにする。
・英語、日本語、中国語等の外国語を話せるメンバーをグループ内に入れる。
*海外だけに没入しないで、自国でもタイミングよく話題作りをする。
K-POP(韓流)が海外で成功することは韓国の産業や文化などにとっても大変重要なことです。
K-POPグループが海外で成功すれば、それを通じて自国のことを理解してもらえるようになります。
例えば、自動車やデジタルテレビは韓国の主要な輸出製品ですが、
K-POPグループを通じて親しみを持ってもらえるきっかけになります。
また、文化・風土等にも興味を持ってもらえるようになり、観光客の誘致などにも役立ちます。
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他の音楽事務所との比較
韓国の音楽界を牽引している3大音楽芸能事務所は、SMエンターテイメント、YGエンターテイメント、
JYPエンターテイメントの3社です。
各社の2010年売上は、
SMエンターテイメント:約864億ウォン(2009年は618億ウォン)
YGエンターテイメント:約448億ウォン(2009年は357億ウォン)
JYPエンターテイメント:約217億ウォン(2009年は赤字経営)
であり、SMエンターテイメントが最大手です。しかし、2011年はYGエンターテイメントが売上を大きく伸ばしてきました。
YGエンターテイメント
1996年にソテジワアイドゥルのダンサーとして活躍したヤン・ヒョンソクが、
グループ解散後に後輩歌手の育成のためヒョン企画としてスタートさせました。
その後、歌手・俳優のマネージメント等を行う総合エンターテイメント会社として運営されています。
2009年にデビューしたBIGBANGのように、自ら作詞や作曲、プロディースを行うアーティストも多く、
先輩が後輩をプロデュースするなどファミリー色が特徴の一つになっています。
所属アーティストは、BIGBANG、2NE1、SE7EN、GUMMY、他
JYPエンターテイメント
歌手として活動するパク・チニョンが1997年に設立した事務所で、社名はパク・チニョンのイニシャルから付けられました。
音楽製作、アーティスト発掘及び育成、アーティストマネージメント事業を展開しており、海外進出を積極的に行なっています。
歌手であり作曲家やプロデューサーとしても才能を発揮するパク・チニョンがプロデュースを手掛け、
ホン・スンフンが経営マネージメントを担当し、韓国を代表する音楽事務所に成長させましたが、
ホン・スンフンは新しくキューブ・エンターテイメントを設立しました。
2007年には女性5人グループWonder Girlsがデビューして、同時に発売したファーストアルバム『The Wonder Years』
のタイトル曲 「Tell me」 がTell meシンドロームという言葉を生むほど大ヒットしました。
また、アメリカに進出して、ビルボードチャートで76位を記録しています。
所属アーティストは、Wonder Girls、2PM、2AM、Miss A、Rain、他
キューブエンターテイメント
ホン・スンソンが2008年にJYPエンターテインメントから独立して起業した、韓国では比較的新しい芸能事務所です。
所属アーティストは、 BEAST(ビースト)、4minutes、A Pink、G.NA(ジナ)、他
DSPメディア
1991年設立の古株の事務所であり、音楽企画及び制作、芸能人マネージメント、スターマーケティング、
レコーディングスタジオ、CD流通、ドラマやバラエティー番組、映画の制作など、多岐にわたり事業を行なっています。
過去にはイ・ヒョリ、ソン・ユリなどのグループFin.K.L(フィンクル)や、
Sechs Kies(ジェクスキス)が所属していたアイドル系事務所です。
所属アーティストは、KARA、RAINBOW、SS501、他
Mnet Media
2006年に設立され、後発ながら多角的なプロモーション活動で躍進してきており、ヒットメーカーのチョ・ヨンス氏の作品が多いです。
所属アーティストは、超新星、T-ara、イ・ヒョリ、ダビチ、SeeYa、他
<参考>
韓国では順位制の主な歌謡番組としては、KBSミュージックバンク、SBS人気歌謡、
M.netミュージックカウントダウンの3つがあります。
これらの音楽番組で第1位を占める率は、2011年ではSMエンターテイメントとYGエンターテイメントが53%と半分以上を占めています。